カロト家の日記
January 27, 2020
朝
海の底のように青く静かで冷たかった風景に、無数の小さな火が灯る。
熱を帯びながら鮮やかに色づいて行く世界。
浮き上がっては溶け込んでいく一瞬を見逃さないように、夢中でファインダーを覗く。
ざわめきがひと際大きくなる。
小さな命たちの温度が森に動きをもたらす。
アオジ
メジロ
ウグイス
ジョウビタキ♀
ルリビタキ♀
シロハラ
遠くで声がするなと思っていたら、パッと目の前に現れては飛び去って行く、小さくて美しい鳥たち。
儚い夢のような朝だった。
歩を止めて初めて知れる自然との出逢い。
視界に飛び込んでくる躍動感のある生き物たちの命。
ルリビタキ
見慣れない珍客。それは僕だったりする。
ヒヨドリ
樹の上を見上げたり、鬱蒼と茂るブッシュに目を凝らしたり。
眼下の樹上にはシメの群れ。パチパチと木の実を砕く音が響く。
シメ
身近な場所にも知らなかった楽園。
その場所に辿り着くことが近いようで遠い。
コハクチョウ
コハクチョウたちを間近で感じ、美しくてたくましいありのままの姿に感動する。
なるべく自分の痕跡を残さないように、静かにその場を離れた。