カロト家の日記

March 18, 2020

可愛い訪問客たち

久しぶりに連絡をくれた友達家族が京都から遊びに来てくれた。

アパレル関係で働く友は、普段、家族となかなか休みが合わないらしい。

新型コロナウィルスで休校になった娘さんたちを連れて、岐阜に遊びに来てくれた。

家族一緒に過ごせる貴重な時間に、わざわざカロト家に会いに来てくれて嬉しかったなあ!

 

友達家族が遊びに来てくれた

大きくなった子供達の成長ぶりに驚く!!

 

ゆっくり近況報告をした後は、子供達を連れて、稲の散歩も兼ねて近くの公園へ。

空の森運動公園と炉端遺跡公園と朝日町の公園をはしご。

稲のフリスビーキャッチを披露した後は、子供達とフリスビーで遊んだ。

本当は一緒に凧揚げしたくて、近所のお店に走ったんだけど、季節商品となる凧は置いてなくて残念。。

晩御飯は薪ストーブでピザを焼き、京都で共に過ごした時の思い出話をしながら、とても濃厚な時間を一緒に過ごした。

ありがとう、伊藤家!!

 

日にちは変わって、こちらも学校が休校になった娘の友達が遊びに来た時の話。

小中と一緒だった同級生たちも高校生になった。

今はみんな違う高校に通っているけど、それでも頻繁に遊ぶ友達たち。

手作り誕生日会の後は、特設の卓球台で卓球!

気づいたら嫁さんも加わって、白熱の卓球大会が始まっていた。

 

白熱!卓球!

卓球で盛り上がる娘たちと実は一番元気な美佐さん。

 

裏庭でBBQ

卓球の後は、お肉が食べたいという本日の主役のリクエストに答えて、裏庭でBBQ!

 

フレッシュで賑やかな可愛い訪問客のおかげで、僕たちもとても楽しい夜となった。

お誕生日おめでとう!!

March 16, 2020

桜咲く梅も咲く

桜咲く

池田町の温泉に出かけた際、咲き始めた桜を見つけ足を止める。

他の桜の木もピンクになった蕾が大きく膨らんでいた。

 

桜咲く

桜

冬から春へ。

順番的に梅が咲いてから桜が咲くイメージを持っていた。これは間違ってはないんだけど、

実際、気温の低い山間部では桜と梅が同時期に咲くこともあるそう。

桜と梅の違い、知っているようで知らなかったから、ちょっと調べてみたらなるほど!といろいろと合点した。

 

温泉を後にして、ちょっとドライブして行こうと知らない道を走る。

車を走らせていたら「天空の遊歩道」という看板を見つけ、思わず寄り道。山道を駆け上がった。

 

写真 2020-03-14 16 50 00

知ってはいたけど、知らなかった場所。

ここは揖斐茶の産地で、山腹を開墾した段々畑の茶畑が広がっていた。

 

写真 2020-03-14 17 00 08

駐車場に車を停め、元気よく対応してくれたおばちゃまにマップをもらう。

「時間が遅いから、A地点まで行ったら帰っておいでよ」とアドバイスももらって。

整備された遊歩道(緩やかな登山道)を歩くこと約20分。

 

天空の茶畑

A地点からの眺め。

「岐阜のマチュピチュ 天空の茶畑」と称される素晴らしい景観が広がっていた。

 

無事に駐車場に戻ると、さっきのおばちゃまが美味しい揖斐茶を淹れてくれた。

へえ〜こんなところが岐阜にもあったんだ〜と一息つきながら、ふと茶畑に目をやると満開の梅の木。

写真 2020-03-14 17 24 20

標高が高いここは、季節が少し遅いようだ。

 

写真 2020-03-14 17 24 47

少し紅の入った可愛い梅の花。

 

久しぶりの一人ドライブを満喫した。

自宅に帰り、ニュースを見ながら現実に引き戻される。

まだまだ予断を許さない新型コロナウィルス。

今年も満開の桜の木の下でゆっくりピクニックが出来るよう。

早く穏やかな日常を取り戻せますように。

March 13, 2020

御嶽山で雪上ピクニック

_DSC2789

御嶽山の岐阜県側の登山口「濁河温泉」へ車を走らせる。

朝を迎えだんだんと白んでくる空に、ようやく姿を見せた霊峰の力強く雄大な稜線が鮮やかに広がっていた。

 

_DSC2791

登山口に到着。さすが標高1800m、前日降った雪も相まってふわふわの新雪にテンションが上がる。

 

_DSC2793

雪山用のマイザック。今回は厳冬期対応のフル装備なのでずっしり。

 

0060

後ろから追いついて来た友人と合流。グラサンは僕。

 

_DSC2801

雪に覆われた針葉樹の森に続くトレースを辿りながら、ゆっくりと進む。

先頭はお馴染みのまさこ姉さん、真ん中は初登場しんこ姉さん、最後尾は僕。

 

_DSC2806

まさこ姉さんは今日もパワフル!深い雪をものともせず、パーティを引っ張る。

 

_DSC2813

標高2500mくらいで森林限界を越え、アイゼン&ピッケル装備。

 

_DSC2809

登山道が雪に覆われ消えている雪山登山は、決められたコースが無い。

雪の量や凍結具合によってアイゼンやピッケルがどれくらい効くか、雪崩の起きやすい斜面はどこか。

自分たちの技量で安全に通過出来るルートをその場で見極めながら登って行く。

 

_DSC2817

凍ってテカテカに光る雪面と柔らかい新雪が吹き溜まるミックス。

 

0047

稜線へ向けて。一歩一歩確実に。

 

_DSC2822

シーズン中は山小屋で働くしんこ姉さん、さすが絵になるな〜

 

_DSC2827

あと少しで稜線に出る。あの稜線の向こうへ!

 

_DSC2842

後続の二人を待ちつつ、眼下に広がる景色を楽しむ。

 

_DSC2833

この斜面は言うなれば超巨大滑り台。一歩でも足を滑らせたらえらいこっちゃやで〜

 

_DSC2843

美しく険しい自然が織りなす景色に目を奪われながら。

 

_DSC2847

ついに大展望が待つ稜線に出た。お疲れ様!

 

_DSC2846

今日も決まってる!まさこ姉さん。

 

_DSC2853

ここからは稜線上を五の池小屋のある飛騨頂上へ向かう。

最高な天気に恵まれて、超気持ちいいい!!

 

自然が造る美

風と雪が造る自然の造形とその美しさよ。

 

_DSC2860

飛騨頂上2780mに到着。

 

_DSC2868

冬季閉鎖中の五の池小屋。紺碧の青空に馴染む青い屋根がかっこいい。

 

雪上ピクニック

小屋の目の前の五の池が雪に覆われていた。

この季節だけの愉しみ五の池の上で雪上ピクニック!

 

_DSC2869

テルモスに入れたお湯を車に置いてきてしまった僕。念のため持って来たバーナーでお湯を沸かす。

 

_DSC2862

氷点下だけど、日差しがあって暖かくて超気持ちいい!!

五の池から上に続く摩利支天山への稜線を眺めながらのピクニックは最高だった。

 

午後から天気悪くなる予報なので、休憩したら即下山開始。

_DSC2881

帰りは行きと違うルートを選び、再びの急斜面を慎重に下りて行く。

 

御嶽ブルー

斜度は急だけど、雪質も良くアイゼンの爪がしっかりと刺さるので、怖さはなかった。

 

_DSC2883

摩利支天山の稜線に別れを告げて。

 

_DSC2884

森林限界まで下りて来た。ようやくほっとする瞬間。

 

_DSC2885

朝よりも雪が緩んで踏み抜きが多いので、ここから登山口まではワカンを装着。久しぶりのワカンが使えて嬉しいなぁ!

 

_DSC2890

雪に覆われた斜面を縦横無尽に歩くうさぎの足跡を見つけた。

森林限界のこんな場所でも動物たちはたくましく生活しているんだな。

お邪魔しました。と、ありがとう。

雪の御嶽山、また来年も必ず来ます。

March 11, 2020

娘の作った作品たち

娘作

先日、キッチンにおもむろに置いてある唐辛子を見つけ驚愕。

娘が学校で作って来たという唐辛子。本物そっくりだけど異様にデカくて重い。

こんな事も出来るようになったのかと感心しながら、そう言えば、知らず知らずのうちに我が家には色々と娘の作品が増えて来ている事に気づいた。

 

DSCF2768

これは小学生の時に学校で作って来たオブジェ。

フラを踊ってるシーサーのような奇妙な怪物(笑)台風の時に角が折れた。

 

DSCF2769

Good!!ダイナミックな描写力!!上手いのか下手なのかよくわからん。

 

DSCF2771

篆刻の作品。この模様はどこから生まれたのか謎すぎる。ずっしりとした石で出来ているので伝票を押さえる重しに重宝している。

 

DSCF2772

高校に通い始めた娘が授業で作って来た建築模型。いつかこんな平屋の家が建てられるといいね!

 

DSCF2779

最近、僕が愛用している娘デザインのエコバッグ。ドアから人が覗いている!?シュールな作品。

 

娘の作品、処分したものもたくさんあるけど、探したらまだまだ色々とある。

久しぶりに振り返ってみると、確実に成長しているし、すでに追い越されている気もする。

高校進学する時、何か物を作る仕事に就きたいと、建築科のある高校に進んだ娘。

もの作りで生計を立てている我が家に生まれた我が子が、そういう想いを持ってくれたのはとても嬉しい事だった。

勉強はさっぱりだけど、友達にも恵まれ学校に行くのも毎日楽しそうで、それが何よりだなと。

将来、どんな大人になって行くのかは全く未知だけど、自分の出来る事で周りの人を喜ばしたり、人の役に立てる仕事を自分で創って行って欲しい。

March 06, 2020

各務原アルプスはやっぱり最高だった

DSCF2700

よく晴れた朝、僕は雲海の上にいた。

風もなく静かで穏やかな海の上。

当たり前だけど、ここにいると新型コロナウィルスの影響は微塵も感じられない。

 

深呼吸した後、体を反転させ、今度は西に向かって雄大に伸びる尾根を眺める。

複雑に上下を繰り返す各務原アルプス。

ここから始まる一日は僕の運命を変えるのだろうか。

 

map

今回は城山に登らず、その北側の尾根を迫間山へ進むルートを取った。

 

DSCF2703

よく整備された城山の北側のトレイルを進む。

 

DSCF2705

さっきいた鉄塔が少しずつ遠ざかっていく。

 

DSCF2723

大岩見晴台からの眺望。眼下には寒洞池。

 

DSCF2724

木々の切れ間から反射板を確認。自分が今いる場所と先に続くルートを地図と照らし合わせて。

 

DSCF2726

金山で小休憩。困ったことに、このシューズはいつも靴擦れができる。かかとをテーピングで保護した。

 

DSCF2727

こんな場所に鉄塔を建てるってすごいよな。

 

DSCF2739

権現山を確認。その先には金華山、さらに奥には伊吹山。

 

DSCF2741

木漏れ日が気持ちいい尾根歩き。

 

DSCF2744

桐谷坂で関江南線を横断。ルートはその脇に林道へと続く。

 

DSCF2745

芥見権現山へ至るトレイルのスタート地点。道は森の奥へ続く。

 

DSCF2749

休憩しようと思っていた場所は他の登山者で賑やかだったのでパス。

ようやく見つけた休憩適地に着いた時は、登山開始から4時間が経っていた。

冬場の強い味方サーモスの山専ボトルとカップヌードルの最強コンビ。

 

DSCF2750

芥見権現山で出逢った可愛い忠犬「白ちゃん」(勝手に名前つけた。)

 

DSCF2752

向かいに見えるのは最後のポイント、各務原権現山の東屋。あそこまであと一時間。

 

DSCF2754

芥見権現山を下りて各務原権現山へ登り返す。北山山頂に到着。

 

DSCF2755

今日歩いてきた各務原アルプスを振り返る。

 

DSCF2757

ぽかぽか小春日和〜

 

DSCF2759

各務原権現山から市内を一望して、下山開始。山の上にいた六時間はあっという間に終了。この鳥居をくぐると下界に戻る。

 

DSCF2763

お迎えに来てくれた嫁さんと合流。

この登山で僕の運命は変わったのかどうかは分からないけど、免疫力は少し上がったかな。

何度歩いたか分からない一番身近で大好きな縦走路、各務原アルプスはやっぱり最高だった。

March 03, 2020

籐編みの一輪挿し

籐編みの一輪挿し

先日、妻がいつもお世話になっている籐の教室に初参加。

先生の手ほどきを受けて一輪挿しを作ってきました。

籐といっても、ラタンと呼ばれるものや、籐皮、皮を剥いだものなど沢山の素材があるそう。

籐は他の蔓などに比べて軽いというのも魅力。

 

今回僕が使ったのは、太さ3mmくらいで先生が染めてくれたチョコレイトブラウンの籐。

乾いた状態だと張りがあり固い素材も水で濡らすと柔らかくなり曲げる事ができる。

指先に神経を集中して無心になって作品を作った。

 

取手の素材は、先生の家に植えられているぶどうの蔓。

その日の朝に、先生があらかじめ採ってくれていたものです。

それにしても庭先にぶどうが植えられているとか、憧れる。

 

2時間半のホスピタリティ溢れる癒しの時間を愉しんだ。

もの作りはやっぱり楽しい!

 

教室終了後、先生がこれまで作ってきた作品を見せてもらったけど、籐編みの奥深さに魅了された。

その奥深さを知ると、初心者の僕はその先行きの果てしなさに絶望するんだけど、

僕も色々な作品を作ってみたいという気持ちが芽生えたのは確かだ。

 

いつか山菜採りに持って行けるような、軽くて丈夫な立派な山菜籠を編んでみたい。

February 26, 2020

Aladdinストーブがやってきた

カロト家にアラジンストーブがやってきた。

その青い炎はブルーフレームと言われ、ストーブ愛好家に愛される存在。

機会があればいつか自分も使ってみたいなと時折思うこともあったが、

アラジンストーブの導入には至らず、何年も経っていた。

 

冬は寒いといっても、いつも気づけば春はやってくるし、

長年愛用している年代物の石油ストーブも特に不具合もない。

薪ストーブを使い始めて、室内の暖かさは格段に上がった。

自分は新しい物より古い物を好むこともあって、

新品の購入には消極的だし、所有欲がある訳でもない。

 

人との縁と同様に、やはり物との縁もあると思う。

「うちにアラジンストーブがひとつ余っているんだけど、加藤さん使いますか?」

ある日、お客様と何気なくお話をしていた際の突然の提案に驚いた。

 

「アラジンですか!いや、もちろん憧れてはいましたが、ほ、本当にいいんですか!?!?」

「ええ、うちも子供達が成人して家を出て、家内と二人で生活するのに、ストーブ二台も使わないものですから、もし良かったら使ってもらえたらと思って。ぜひお持ちしますよ。」

 

神か!と思うほどに嬉しいお話。

で、その日のうちにお客様がストーブを届けてくださいました。

 

Aladdinストーブがやってきた

チョコレート色のAladdinストーブは、特注で塗装してもらった世界に一台のストーブだそう。

 

Aladdinストーブがやってきた

細部に渡って機能美が美しい。ブルーフレームも綺麗。

ストーブの周りにいるだけでやっぱりあったかい。

 

アラジンストーブの扱い方やメンテナンス等のレクチャーを受けながら、お客様のアラジンストーブとの思い出を教えてもらった。

北海道の小樽に旅行に行った際にたまたま入った喫茶店で目にした時が、アラジンストーブとの最初の出会いだったそう。

旅先での出会いってありますよね。ロマン〜

 

古いものだけど、メンテナンスをしながら大切に使われて来た事がわかります。

思い出の品を譲り受けた僕たちも、丁寧に使っていきたい。

ここにやってきたのも何かの縁。

この魔法のストーブで、さらなる新たな出会いが生まれたらいいな。

February 25, 2020

霊仙山 泥と霧と残雪と

DSCF2527

朝8時に登山道を歩き始めた。

登山口に至るまで、それから登山道を歩き始めても、期待していた雪は無い。

このところの暖かさで雪はすっかり消えてしまっていた。

今回は周遊コースを選び長距離のロングハイクだ。

相棒コバさんとの久しぶりの山。

 

DSCF2535

雪解け後の登山道は見事にぐちゃぐちゃに。

登山靴も泥団子状態で、泥のついた靴で泥の上を歩くから、ヌルヌルと滑る滑る。

こんな泥んこ祭りは登山を始めてからこれまで記憶に無い。

 

DSCF2537

ここは 景色のいい場所のはずだが、どっしりとした霧が辺りを包んでいる。

葉を落とし風雪に耐えた樹木が、霧の風景に映えてとても幻想的だ。

 

DSCF2555

標高が上がるにつれ、ちらほらと残雪が見られるように。

霧と残雪とカメラを構えるコバさん。

 

DSCF2556

霊仙山の中腹にある霊仙神社。立派な鳥居は木製。

 

DSCF2569

コバさんが背中に背負っているのがワカン。雪深い場所を歩く際、重宝する。

念のために持ってきたワカンだけど、全く使うところは無かった。

 

DSCF2570

枯れ木に生えるヒラタケの群生を見つけるもすっかり老菌だった。残念。

 

DSCF2571

鹿の〇〇があちこちにあるので踏まないように。

 

DSCF2573

奥に見えるのが霊仙山。山頂に向かうその前に、手前の経塚山のピークを踏みに行く。

 

DSCF2577

経塚山山頂からの眺望。避難小屋と伊吹山。小屋好きにはたまらない風景が広がる。

写真には収まりきらない大展望!

 

DSCF2582

経塚山を後にして、急登をこなし霊仙山山頂に立つ。眼下には琵琶湖が広がる。

 

DSCF2590

景色のいい場所を見つけて、お気に入りの一枚が撮れた。避難小屋と伊吹山と奥の雪山が白山。

 

DSCF2599

お昼ご飯にしよう。足元は泥だらけ。泥対策の為、普段は滅多に履かないゲイターを履いてきて良かった。

 

DSCF2600

お昼休憩しながら霊仙山山頂を臨む。山頂には続々と登山者が。

 

DSCF2602

遠方には雪を冠った御嶽山や北アルプスも。

 

DSCF2603

崖下を覗く、コバさん。好奇心旺盛!笑

 

DSCF2606

すれ違った登山者にツーショットを撮ってもらった。

 

DSCF2609

下山を開始して尾根を下って行く。様々な表情を魅せる景色に目を奪われながら。

 

DSCF2614

ガレ場の続く稜線歩き。足元が悪いので健脚者向きのコース。

 

DSCF2616

下山ルートのポイント、笹峠が見えた。ここから笹峠への下りが激下り。ザレザレガレガレゴロゴロで下りは要注意。

 

DSCF2621

無事に笹峠に到着。ここまでの下りはかなりハードやった。

 

DSCF2619

霧が掛かったり取れたり。ブナ林と霧の幻想的な景色が広がる。

 

DSCF2623

今畑の旧村集落跡まで下りてきた。竃や水場が今もまだ残り、昔の生活の様子を今に伝える。

 

DSCF2627

今畑登山口に着く。ここからスタートした榑ヶ畑登山口へは大洞谷を通る沢沿いのルートを取った。

 

霊仙山登山、霧、泥、残雪に加えて、植生も風景もバリエーション豊かで全然飽きがこない。

ルートのチョイスも良かったので、久しぶりにたくさん歩いたな〜と思える良い山歩きが出来た。

ここにはいつか登ってみたいと思って何年も経つけど、こんなにいい山だとは知らなかった。

花の百名山としてもよく知られているようなので、また季節を変えて登りに来たい。

 

自然はいつも僕らに素晴らしい景色を魅せてくれる。

そして友と一緒に、その日その時しか見れない景色を共有できる事も嬉しい。

身近なはずなのに、まだまだ知らない場所は沢山ある。

これからも時間をかけて少しずついろんな場所を歩いていきたい。

February 20, 2020

薪ストーブ 焚きつけの流儀

春を待つ

2月も後半に。

雪が降ってもすぐに溶けてしまい、今年の冬はあまり冬らしさがなくて寂しい。

梅の花も満開だし、ここ何日間で鳥のさえずりも聞こえるようになり、じわじわ近づく春を感じてしまう。

と言っても、まだまだ朝晩は冷え込む日もあるので、それなりに外気温は低い。

 

 

余談だが、モズという鳥がいる。

モズ(百舌)と書く。

百の舌を持つと言われるくらい、他のいろいろな鳥の鳴き声を真似できる。

カロトの裏山にもモズが住んでいて、可愛い鳥が鳴いているなと窓の外に目をやると実はモズだったりする。

実際の姿もなかなか愛嬌のある鳥で、身近な野鳥として覚えておきたい。

_DSC2547

 

カロトギフのオープンは9時。

モーニングに来られたお客様に少しでも暖かく過ごしてもらうため、いつも朝一に薪ストーブの火を入れるようにしている。

9時だと、まだ室内が温まっていないので床も冷たいが、パチパチと音を立てて薪が燃える様子はやはり温かみがある。

 

薪ストーブの使い方は人によって様々。

薪スト愛用者の友人や知り合いと話をしていても、ストーブの大きさも違うから多種多様。

薪のチョイスは薪を入手する環境に左右されるが、

着火の際はマッチなのか着火剤なのかライターなのか、焚きつけ用の小割を使うか否か。

「焚きつけの流儀」は、みんな自由だ。

 

僕は、マッチ派。(近藤の方じゃなくて)

朝一番、焚きつけ用の薪を組んで、マッチを擦る。

一日のスタートの大切な儀式をいつも愉しんでいる。

DSCF2641

僕が着火の際に使うのは、カンナの削りかす。

箱に入れる時にくるくるとまとめてボールのようにしておくと使いやすい。

 

DSCF2639

カンナの削りかすボールにマッチで火をつけると、瞬く間に焚きつけ用の小割りに火が燃え移っていく。

この着火時の薪の組み方も組む人の個性が出る。

その時によって変わるけど、僕の好きな形は下は広葉樹、上は針葉樹。

上の方はいかだに組んで、炎の勢いを強めるようにしている。

 

DSCF2638

朝ごはんに、温まった薪ストーブで友達からもらったパンを焼く。

遠赤外線効果で、外はパリッと中はふっくら。美味し。

February 17, 2020

西穂 独標で導かれた話

DSCF2433

深夜に自宅を出発、早朝の新穂高に着いた。

高山へ抜ける道路は小坂あたりからうっすら白く、平湯の手前くらいからはしっかり雪道だった。

ジムニーを深山荘の登山者用駐車場に止めて、僕たちは始発のロープウェイに乗った。

 

DSCF2435

鍋平で乗り換え。始発からすでに観光客が多い。

 

DSCF2437

ロープウェイはものの数分で一気に高度を上げ西穂高口駅へ。

西穂には昨年夏に来たけど、厳冬期の西穂に来たのは3年前。ロープウェイの窓からこの冬景色をみるのは久しぶりだ。

 

DSCF2438

今回は厳冬期の西穂 独標に挑むまさこ姉さんの付き添い。

この日のために、しっかりと準備をしてきたので大丈夫でしょう。

 

DSCF2440

例年に比べると今年の雪は少ない。と言ってもここはやはり北アルプスなので雪多いよ。

 

DSCF2445

まずは西穂山荘を目指して雪に覆われた登山道を進む。

 

DSCF2446

西穂山荘到着。巨大な雪だるまが迎えてくれます。

 

DSCF2454

ここからは12本爪のアイゼンとピッケル、ヘルメットにバラクラバ(目出し帽)も装着して完全防備。

手袋はウールのインナー、分厚くてあったかいミドル、ゴアテックスのアウターの3レイヤード。

準備を整えたら、西穂山荘を出発。

 

DSCF2456

丸山に到着。

厳冬期の稜線に吹く風はやはり冷たい、というか痛い。ちょちょぎれる涙がまつ毛に凍りつくけど、ここまではまぁ余裕。

 

DSCF2457

さあ、独標に向けて丸山を出発!ここからは難易度が上がる。さすがに緊張してきた!

 

DSCF2459

ガスと雪に包まれると一気にこんな風に先が見通せなくなる。

それでもガスが一瞬切れると視界がパッと開ける時がある。

急に視界が良くなる時に二人が思ったのは「導かれているよう」

 

独標の手前までは急登。

滑ったら止まれない急斜面なのでアイゼンの爪をしっかり効かせて、体力を削らないよう、着実に一歩づつ。

痩せた尾根の左右は切れ落ちた断崖絶壁。

視界が悪い時は特に、雪庇を踏み抜かないよう要注意。

 

なんとかかんとか独標の肩まで来た。

ここからは短いけれど今回一番の核心部。独標への取り付き。

雪と氷と岩で出来た凍てついた雪壁にピッケルのアックスを刺す。

アイゼンの前爪を効かせた前足に重心を移動し、ピッケルを持つ手と片足でじわりと体を持ち上げ、壁にへばりつく。

風が強い。自分のアイゼンで出来たトレースが風雪によってどんどん消されていく。

 

DSCF2463

西穂高岳 独標に無事到着した。

 

DSCF2467

まさこ姉さんは目標にしてきた厳冬期の独標に立った。握手をして登頂を祝った。

相変わらず風が強く、ここにいては体温を奪われるので、余韻に浸る間も無く、すぐに下りへ。

 

DSCF2462

地形図とコンパスで帰り道のルートを確認。お互いの無事を祈る。

 

僕が先導するように独標から先に下る。

後ろ向きになってクライムダウン。

下に伸ばした足のアイゼンの前爪を雪壁に蹴り込む。

新雪がさらさらと崩れて足元が見え辛い。

雪壁に刺したピッケルを握りながら慎重に下の足に体重を移して行く。

 

雪と風とガスで視界が悪く、数メートル先が見えないため、先のルートが見えない。

上りで付けたトレースはすでに雪によって消されているので、自分の判断でルートを決めながら降りて行く。

まさこ姉さんもしっかり付いて来ている。

 

独標の肩までもうあと少しだろう。

とにかく視界が悪いので先が見えない。

まさこ姉さんと声を掛け合い、ルートを確認するためガスが切れるのをしばらく待っていた。

 

そこには僕たちと同じく独標から下る後続の登山者が二人いた。

少し離れた場所で、僕たちが下るのを待っているソロ同士の登山者。

 

その一人がバランスを崩し、転倒。

音も無く、深い谷底に吸い込まれて行った。

本当に一瞬の出来事だった。

 

消えて行った登山者に向けて急いで大声を出して声を掛けたかったが、どこまで落ちて行ったかを想像すると、絶望的だった。

救助を呼ばなければ。小屋の人に知らせなければ。滑落したと。

携帯を出して今すぐに電話を掛ける事も考えたけど、風も強く、通話はままならないだろう。

自分が安否を確かめに行くこともよぎった。

だけど、今一番に優先することは、まず自分たちがこの難所から「無事に下りる事」だと。

慌てたり急いだりして、ひとつのミスをしたら同じ運命を辿るかも知れない。

残された3人は、お互いに声を掛け合った。とにかく慎重に安全な所まで戻ろう。

みんなものすごく冷静だった。

 

独標の下りは難所を越えた。

足場が良い場所まで下りたが、その後も、視界が悪い。

慎重にルートを見定めている間に、凍てつく稜線の風は、僕たちの熱を少しづつ奪っていく。

一瞬視界が開け、先のルートが見えたと思ったら、またすぐに雪とガスに包まれる。

ホワイトアウトすると方向感覚が無くなる。

コンパスで合わせていた方角に視線を集中していると、一瞬ルートが見え、登山者を確認した。

登ってくる登山者に滑落事故を目撃した事を伝えたら、その登山者は先に小屋まで戻ってくれた。

 

僕たちは小屋に着いた。

小屋の人に状況を説明に行ったまさこさんによると、滑落した登山者本人から直接警察に電話があったという事。

奇跡的に無事でいて、自力で登り返し小屋に向かって歩いているとのこと。

信じられない事が起こった。

 

DSCF2468

その後、小屋の前で滑落した登山者に会えた。

その方の顔を見た時は、やはり熱いものが溢れてきた。

100m位滑落して打撲はしているけど自力で歩けると。

なんちゅう生命力。

本当に無事で良かった。

 

もし、自分があの場に居なかったら、厳冬期の雪山登山の怖さが一生分からなかったかもしれない。

毎年、雪山での滑落事故は後を絶たない。でも、どっかでやっぱり人ごとだった自分がいた。

自分は大丈夫!といい聞かせているような所があった。

でも、一瞬のミスで自分があの登山者と同じ立場になることは十分に有り得るなと思った。

山に行く事は、大なり小なりリスクがあると思う。

しかし、知る事や感じる事、または得られる経験は非常に多い。

導かれるように独標に立ち、あのアクシデントの後も、ちゃんと導かれるように小屋に戻ってきて、こうして家に帰ってきてあの日の出来事を綴る事が出来る。

僕もまさこ姉さんも、あの日、西穂 独標に行って良かった。と心から思っている。

 

DSCF2472

祝!!まさこさん西穂 独標に立つ!!

 

ページの先頭へ戻る