カロト家の日記
February 03, 2019
関の刃物 矢を手に入れた
各務原の隣町、関市の刃物センターに出かけた。
斧ではどうしても割れないユーカリの木をなんとか割りたくて、両刃の鉈(ナタ)なら割れるんじゃないかと淡い期待を寄せて。
初めて踏み込む関刃物センターは整然と品物が並んでいるんだけど、名匠の作品もショーケースに収められていて、なかなか緊張感のある空間でした。
さて、僕の目的は、気に入った両刃の鉈を見つけること。
何本か両刃の鉈を見つけるが、まあまあの値段。
うーむ、欲しいところだけど、本当に買って帰ってもユーカリは割れないかもしれない。
そしていつもの如く店員さんに聞いてみよう!と店頭に立っているお母さんに声をかける。
「すみません、両刃の鉈についてお聞きしたいんですけど。」
お母さんは、質問内容をあらかた聞くと、奥に向かって
「社長!鉈のこと聞きたいみたいですけどー!」
御歳八十くらいだろうか、いかにも知識のありそうな貫禄のあるお父さんが出てきてくれた。
「すみません、斧でもどうしても割れない硬い木を割りたいんですけど、両刃の鉈で割れますか?」
「うんうん、斧でも割れないものを割るならね、矢を使いなさい。」
「矢ですか?あぁ!矢ってクサビのことですか。」
「こっちにあるから、ついてきなさい。」
僕の要望をすぐに理解して機転を効かせた判断力〜!
「これを使えば割れるから。それと、こんなものはどこにも売ってないからね。」
「これですか!木が締まってたり、節とかもあってどうしても割れなくて。チェーンソーで縦切りしたりもしたんですが、手間もかかるしなんとかしたくて。」
「わかる!わかるよー!!」
社長さん!気持ちわかってくれてる〜!!
「ごめんなさいね。思ったものじゃなくて、安い買い物させて。ごめんなさいね!」
確かに矢は鉈の半額以下。しかも、両刃の鉈を買いにきたお客さんに全く違う商品を提案してしまう経験からくる揺るぎない自信!
「いえいえ、これなら割れる気がします!やってみます!」
「うんうん、これだったら間違いないから!」
それにしても素晴らしい人柄。いえいえ、こちらこそごめんなさい。きっと両刃の鉈を買って帰っても、埒が開かなかっただろう。
こうして、僕は見事な矢を手に入れたのだった。
帰宅後、早速、矢を試してみた。
カーンカーンカーンカーーン、、メシメシ、、パキ、パッカーーン
昔から使われてきたとてもシンプルな道具って素晴らしすぎる!
また、近々刃物センターに行って、社長さんに報告するのが楽しみだ。社長さん!ありがとう!!